修学旅行2

飛行機を降りてから一悶着(自分との)があった後、修学旅行の一行はバスに乗って移動する。

今日はケアンズにあるホテルに宿泊し、翌日また飛行機に乗って、旅行の目的地であるパースに向かう予定になっていた。なぜそういう旅程なっていたのかは分からない。日本を朝に出発したから、明るいうちにパースに着くことは出来ないという理由からかもしれない。

 

バスで移動している時は、延々と窓の外を眺めていた。確かに外国という事もあってか、見慣れない風景が広がっている。でもそれは日本国内でも同じことで、新しい場所に行けば新しい光景が広がっているはずで、特に驚くことではない。

普段から家を出ないので、どこに行っても新しい風景なのは当たり前だった。特に感動もなかった。

 

しばらく揺られていると、バスはどんどん街中に入っていく。

 

それはそうと、オーストラリアは日本と同じで車道は左側通行らしい。外国というんだから、てっきり右側通行だと思っていた俺は落胆した。日本と同じじゃんって。

 

そんな事を考えていたら、バスがホテルらしき建物の前に止まった。ここが今日泊まる予定のホテルだった。結構小さいホテルだったような気がする。うちの生徒が全員泊まったら、全室埋まってしまうんじゃないか、というくらいで……。

 

「各自の部屋割りは聞いたな! 荷物を置いて、6時になったらまたこのロビーに集合だぞ!!」

 

そんなに声を張り上げなくても全員に聞こえるだろう、というくらいの大音量で担任が叫ぶ。

俺は今日泊まる予定の部屋に向かう。1つの部屋に5~6人程度が寝泊まりするという形になっており、ベッドも泊まる人間と同じ数だけ置いてあった。

どのベッドで寝るかは部屋の人間がそれぞれ決めるようになっていて、当然のように俺は、入り口の近く、一番寝心地の悪そうな場所を割り当てられてしまった。校内ヒエラルキーの最底辺にいるので妥当なところである。ベッドの上に荷物を置いて、赤ちゃんみたいに部屋の設備やらなんやらを確認していたら、もう時計は6時近くになっていた。

 

ホテル内には夕食をとるような場所はなく、全員が6時に集合したのも、近くのレストランで食事をするためである。

 

レストランはお世辞にも綺麗とはいえなかった。食事をする所は外にあり、所々黒く汚れているアウトドア用のテーブルが並べて置かれている。

 

「じゃあ今からメシを配るからな~~~! 各テーブルごとに取りに来いよ~~~!」

 

また担任の無駄に大きい声が響いてくる。

 

(?)

 

というか、こういうのはウエイターが運んでくれるんじゃないのか?という素朴な疑問が頭に浮かんだが、それも束の間、俺はその渡された料理に圧倒されてしまった。

 

 

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「はい、これ」

 

(……?)

 

皿の上に1枚、乾いたステーキが置かれている。

 

「……」

 

俺は釈然としないまま、乾いた肉を持ってフラフラと自分の席に戻る。

 

「……」

 

とりあえず、一口大にナイフで肉塊を刻み、口に含む。

パサパサとした繊維質の肉が、口の中の水分を吸収してニチニチと音を立てる。

ほとんど味もしない。

 

……

 

この時に思った。

 

やっぱり日本のごはんが、世界で一番美味いってこと……。

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