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わくわく女騎士ワールド

1:盗賊団のアジト
2:魔王の地下牢
3:異端審問の塔
4:触手蠢く地下迷宮
5:逆臣の舞踏会
6:厭戦の前線基地
7:禁断の魔術師館
8:ゴブリン王のテント

ϟƘƦƖןןΣx

( ̄^ ̄)ゞ

ありがたやー ( ̄人 ̄)

(;´Д`)ノθ゙゙ ヴイィィィィン

└( ^ω^ )」

\( ^ヮ゜)>

s(´。`;)ゞ

s(´・。・`)ゞ

(^-^)b

( ´◡ ◝)

(^^)v

ヽ(^○^)ノファーーァ!

o(;△;)oえ〜ん!

( ◞‸◟ )

( ◠‿◠ )

(i_i)\(^_^)

(:D)┼<

(°з°)

(*´ω`*)

( ´◔‸◔`)

(^~ ^)

?(・_。)?(。_・)?

σ(^^)

╮(´・‸・`)╭

(o^-^o)ニコッ

モォイイッc(>_<。)シ*バシッ

✌('ω')✌

✌(^-^)✌

(´◔౪◔)

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( ◜◡‾)(‾◡◝ )

(*˘︶˘*).。.:*♡

(´・ー・`)

(´つヮ⊂)ウオォォw

:;(∩´﹏`∩);:

(*ゝωб*)b

ヾ(❛◡❛)ノ

(๑′ᴗ‵๑)

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ゲーム

大学時代は今ほどTwitterを真剣にやっていなかったし、やる意味も感じる事が出来なかった。ただ、大学の知り合いや興味のある人をフォローしていただけで、呟くのも1ヶ月に1度あるかないか、といった具合だった。

 

mixiもやっていたけど、そっちも同じような感じ。

 

その頃の俺の中を占めていた一番大きな部分は、大学の授業終わりに部室でどんなゲームをするかということ。

 

そして、『ゼルダの伝説25周年シンフォニーオーケストラコンサート』のチケットが、1枚余っていたということだ。

 

――――――――

 

『チケットを譲ってくれませんか?』

ゼルダの伝説コンサートのチケット欲しいです!』

 

当時のmixiでたくさん立っていたスレッド。俺はそこをサラサラと眺めていく。

 

コンサートのチケットを2枚取ったのは、前に1度一緒に同じようなゲーム音楽のコンサートを見に行ったことのある友人のためだった。

 

その友人は、その日は別の用事があるということで、断られてしまった。

早く言って欲しかったんだが……

 

元々大学にも友人は多くない。サークルの数人だけである。

その友人に声をかけても、

「いや、あんまり興味ないし遠慮しとく」

「ゲームは好きだけど音楽はそうでもないなぁ……」

という返事が返ってくる。

 

このまま、このチケットの席を空白にするのか……?

 

そう思いかけた時、なんとなしにmixiを開いたら『チケット譲ってください』の文字が目に飛び込んできた。

 

これだ――

 

……

 

色々な人の投稿を眺める。

とはいえ、知らない人にチケットを譲るのは正直言って怖い。郵送は手間がかかるし避けたいところ。直接その場で会って、そのままチケットを投げつけて終わりにしたい……

 

と、

 

「(女性の投稿者にチケットを渡せば、その後ワンチャンあるんじゃないか?)」

 

思っちゃった。

 

それからはもう女性の投稿しか見えないですよね。

 

――――――――

 

すみだトリフォニーホール、その大ホール。

 

俺はその入り口に立っている。辺りは暗い。昼と夜の公演のうち、俺は夜公演を選んでいた。近くには、ゼルダの伝説シリーズの絵などがラッピングされた柱が立っている。

今回、女性と待ち合わせをした場所だった。

 

『チケットをお譲りしたいので、個人メッセージでやりとりしませんか』

そう持ちかけた。

『ありがとうございます! いいですよ!』

返事が返ってくる。

 

そこで交わした言葉が、待っている俺の頭に浮かび……

 

「お待たせしました~♪」

「イ」

 

想像以上に甲高い声が響いて混乱する。

オタクらしく地面に向いていた顔を上げると。

 

めっちゃ可愛い……

 

髪は長いストレート。

長い睫毛が大きい瞳に影を落としている。

というか、顔がメチャクチャ小さかった。

 

一方、服装はフリルが多めの白いブラウスに茶色いスカート。

スカートに合わせたのか、肩にかけた小さいバッグも茶色だった。

 

「アイ、どうも……」

キモい声が出る。

 

「○○さんですよね?」

「は、ははい」

 

母親以外の女性と話すことがほとんど無かったので、緊張するし汗がダラダラと背中を濡らす。

彼女はあまり気にした様子もなく、笑顔を浮かべている。

 

「あ」

彼女が思い出したように声を上げた。

「お金渡さないとですよね、はい」

 

財布から本来のチケット代ピッタリの金額を俺に渡してきた。

 

「あ、はい……こ、これチケットです」

俺はカバンに入っていたチケットを渡す。

「ありがとうございます! 行けなかったらどうしようかと思ってたんですよ~」

笑顔になった。 

 

「私、ちゃんとゲームを買ってたんですけど、その特典でこんなコンサートに行けるなんて知らなくって……気づいたら受付は終わってるし……ゼルダの伝説が好きだし、どうしても行きたくって……」

ちゃんとチケットが貰えて安心したのか、口が回っている。

「そ、そうなんすか、ははヒ」

俺は出かける前にメリットだけで洗った、ゴワゴワの髪の毛をかいた。

 

それから並んで座席に就くまでに話していて分かったのが、彼女がどうやら売れないアイドルをやっているらしいということだ。

 

アイドル、ねぇ……どおりで普通の人よりは可愛いわけだ。

アイドルグループの名前も聞いた、アリスなんちゃら……。

 

しばらくしたら、座席を照らしていたライトが暗くなってくる。

 

ライトはステージだけを照らしている。

指揮者が壇上に立つ。

 

コンサートの始まりだ。

 

――――――――

 

「いや~~~~~ぁ良かったですねぇ! 知ってる曲がたくさんあって、興奮しましたよ~~~! 私、ムジュラの仮面が好きなんですけど、その曲もあって……あ~~~~~~……」

「はは……」

 

彼女はかなり興奮していたようだった。

演奏中にちらちらと横を窺っていたら、彼女は笑顔になったり急に手で口を塞いで泣いたりしていた。

俺はというと、彼女が首を傾げている曲に「これはねぇ……この作品のこの曲でね……俺がィヒ……好きな曲なんだ……ヒヒヒ」とかオタク特有の気持ち悪い知識を披露したりしていた。彼女は「へぇ~」といって軽く聞き流していたが……

 

帰りは俺と同じJR総武線に乗るというので、駅までの道を並んで歩いている。

 

足を動かしている間、俺は迷っていた。

 

「(これメシに誘ってもいいのかな……)」

 

そう、mixiの女性にばかり目を通していたのも、ワンチャンを狙ってのことだったのだ。これを達成出来るまたとないチャンスだった。

俺の人生で今後何回訪れるか分からない、貴重なチャンス……

 

「……」

「……? どうかしました?」

 

俺は足を止める。

彼女が不思議そうに聞く。

 

「……」

「?」

 

「……」

俺は……

 

……

 

「いや、何でもない……」

「……? そうですか……?」

 

彼女が怪訝そうに首を傾げている。

 

ダメだ。

ダメ。

俺じゃダメ。

俺みたいな気持ち悪い男、今の服装も高校の時に買ってから何年になる?

髪の毛だってリンスすら使っていないからボサボサだ。散髪だって1,000円でしてもらった。

 

なにより。

人と話すのが苦手で、とりわけ女性と話す事なんて、こんな時にしかできない。

その癖に、チケットをダシにして女性を物色していた。

 

気持ち悪い……

 

あわせる顔が無い……

 

「じゃあ……俺は御茶ノ水方面だから……」

「そうですか」

 

千葉方面のホームへ向かう彼女が、俺に手を振る。

 

「……」

 

ホームに電車が入る。

ドアが開いた。

 

「う」

 

場の演出用ライトの明滅にあてられたのか、頭が痛い。

今日は帰ったらすぐに寝よう……

 

――――――――

 

その後、彼女はmixiからいなくなっていた。

退会したらしい。

 

彼女が所属しているアイドルグループのホームページも見てみたが、コンサートの後、数日で解散発表を出していた。

解散理由は身内の誰かが活動に背くような事をしたらしい。詳しくは書いていなかった。

 

綺麗な顔だったが、今ではまったく思い出せない。

 

それにしても。

 

俺にすら顔を覚えて貰えないなんて、やっぱりアイドルとしての才能が無かったんだろうな、とか。

 

そんなこと思ったりした。

あああ

「よし」

 

俺は家具を設置し終えた部屋を見て一息つく。

 

2009年3月下旬。

俺は大学入試に無事合格し、ついに東京へ引っ越してきた。

 

4月に入学式をひかえ、かなり気持ちがソワソワしている。

 

不安がかなり大きかったが「やっと山梨とかいう陰湿な土地から出られる……」という開放感の方が勝っていた。

東京の大学を受験したのも、一人暮らしがしたかったからだ。

 

もし、実家から通える大学に入学してしていたら……

 

想像もしたくない話である。

 

「さて」

 

俺は実家から持ってきたノートパソコンの電源を入れる。

 

『新しいフォルダ』

 

カチカチ

 

『01.jpg』

 

カチカチ

 

「……」

 

シュッ……シュッ……

 

ブーーーーーーーーーーーーー!!!

ブーーーーーーーーーーーーー!!!

 

「わーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」

 

いきなり携帯電話が鳴り出し、下半身丸出しのまま転倒する俺。

一週間に一度かかってくるかどうかという携帯電話の着信に、気絶する寸前までビビってしまう。

 

「!?!?」

 

とりあえず気持ちを落ち着けて、着信相手の名前を確認する。

 

『早川くん』

 

久しぶりに見る名前が表示されている。

 

早川は、俺が小学生の頃から付き合いのある男友達だ。

親同士の仲が良く、たまにお互いの家に遊びに行ったりしていた。

早川の両親はペンション(民宿)をやっており、家は自宅兼宿泊施設といった感じでかなり広い。洋風の家具がたくさん置いてあり、俺の家とはまた違った趣があった。子供心に響くものではなかったが……。

 

そんなわけで、不登校が長かった俺にも分け隔てなく接してくれた、ほとんど唯一と言っていい友人だった。

 

「……」

 

といっても、高校受験の時には俺の登校日数が足りなかったため、早川は公立の進学校に、俺は私立の誰でも入れるような高校に入学することになる。

それ以来、お互いに連絡を取り合うこともなく、結局大学に入学するまで一度も話す機会もなかったのである。

 

そんな早川から連絡があって俺は内心、複雑な気分だった。

 

「(とりあえず出てみるか)」

 

俺は意を決して通話ボタンを押す。

 

「も、も、もももももももっしもし」

 

やばい。

滅多に人と話すことが無いため口がもつれてしまう。

 

「あ、○○?」

 

早川の声だった。全然変わってなかった。

 

「は、は、早川くん。ひっ久しぶりだね」

「いや、そんな緊張しなくていいから」

 

笑いながら言う早川。

 

「親から○○が東京に出るって聞いたからさ、1回電話しとこうと思って」

「そ、そうなんだ。早川くんはどこの大学なの?」

「東○大学だよ」

「は~~~ん」

 

だんだん話すのも慣れてきた。

 

「そうだ、今度○○の家に遊びに行っていい? せっかく2人とも東京で暮らすんだしさ」

「……」

 

引っ越したばかりだし見られて困るような物も置いてないし……

パソコンの中さえ見られなければ……

 

「……いいよ」

「ありがと~! じゃまた××日に遊びに行くよ」

 

ブツ

 

「ふ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」

 

疲れた。

人と話すのってこんな疲れるのか。

電話だと余計疲れるよな……

 

身振り手振りで気持ちを伝えられないからさ……

 

「……さてと」

 

俺はノートパソコンのスリープを解除する。

 

『12.jpg』

 

カチカチ

 

「……」

 

カチカチ

 

……シュッ……シュッ……

 

 

「お邪魔しま~す」

「は、入って入って」

 

今日は早川が遊びに来る日だ。

家族に引っ越しを手伝ってもらって以来、初めての来客である。

 

正直、俺はかなり緊張していた。

 

というのも、中学・高校時代で家に誰かを呼んだことがない。

そのため、誰かが来た時に何をすればいいのかが一切分からなかった。

 

ゲームをすればいいのか。

……いや、一人用のゲームしかない。

 

テレビでも見ればいいのか。

……そんな過ごし方ってあるのか? 久しぶりに会ったのに。

 

結局何も思いつかないまま、早川が来る日になってしまった。

 

「いや~久しぶりだなぁ。中学校以来か?」

「そ、そうだね」

 

俺と早川は1Kの部屋、こたつに入って話始めた。

まだ外は寒い。こたつ布団はかけたままだった。

 

「ところで○○、エヴァンゲリオンの漫画、まだ買ってる? 貞本義行の」

「いや、最近は追ってないよ」

 

早川は、山梨の人間では珍しく、漫画やアニメが好きだった。

山梨では漫画はまだ許されるかもしれないが、アニメを、特に深夜のものを見るような『オタク』であれば、格好の攻撃の的である。

すぐにクラスの中心人物から目を付けられ、吊し上げられるのだ。

 

早川はというと、そこのところを躱すのが上手かったのか、そういった種類の仲間だけ集まって好きにやっていたらしい。

 

元々社交的な人間だったからかもしれない。

 

俺はというと、高校ではクラスに一人だけいた『””絵””(想像の通りの絵です)を描くのが好きな女子』と一緒にされ、””””イジり””””の標的となっていた。

野球部の男とその彼女、そしてそのグループからである。

 

………

 

「東京ってすごいよなぁ? TOKYO MXが見放題なんだからさ」

「そうだね……」

 

変わってないみたいで安心したよ……

 

「ところでさ」

「え?」

 

急に神妙な顔つきになる早川。

 

「最近悩んでる事とか、ないか?」

「悩んでる事……?」

 

悩んでる事ねぇ……

 

「そりゃ、色々あるよ。これからの大学生活だって不安ばっかりだと思うよ。一人暮らしも初めてだしさ……」

 

それを聞いて頷く早川。

 

「そうだよなぁ。俺にも色々悩み事があったよ」

「……うん」

「でもさ」

「うん」

 

「『○○苑』で色々悩みを聞いてもらったら、楽になったんだよ」

 

「??」

 

??

 

え?

 

なんでそこで、俺の母親が通ってる宗教の名前が出るの?

 

「え?」

 

「だからさ、俺にも色々悩みがあったんだよ。実は俺、高校の時に不登校になってさ、ま、イジメ?ってやつかなぁ。うん。でも今思えば、そんなので悩むなんてバカみたいだけどさ、その時は死のうかな?って思ったんだよ。はは。でもさ、そこには俺と同じ悩みを抱えてる人がいっぱいいたわけ。そしたらさ、俺も楽になったというか、まぁそこで友達が増えて、奉公……あ、奉公って言うのはボランティアみたいなもんなんだけど、最初はそこの施設の草むしりみたいなものから始めるんだけどね。出会った友達とそうやって奉公してるとさ、頭が晴れて、悩んでたことなんて小さかったんだなぁって。楽になったら後は勉強だよね、大学の。大学の勉強もそこで会った友達と一緒にやった。だから大学にもちゃんと合格出来たんだなぁって感じだよ。総本山も立川にあるしさ、東京暮らしもそれで気が楽になったよ。それでさ、○○も一緒に」

 

「いや」

 

「そう? とりあえず行ってみるとか、いいと思うよ。最初は会費とかもかからないし、そうだね、近いのだと○○日に一般の人向けの会合が」

 

「行かない」

 

「……」

 

「……」

 

「まぁ、怪しいと思うかもしれないけど。みんないい人ばっかりだから。気が向いたら連絡してよ」

 

「うん」

 

それから何を話したか覚えてない。

 

………

 

「じゃあ、そろそろ帰るね」

「うん、またね」

 

玄関が閉まった後に、色んな事を思い出した。

 

早川と一緒に遊んだこと。

小学校の頃に、子供でもカートに乗って走れるカート場に遊びに行って、ゴーカートで競走したこと。

早川の広い家の中で、かくれんぼをして遊んだこと。

俺の家に泊まりに来て、夜中ずっとゲームをして遊んだこと。

 

俺の唯一の友達だった。

 

そんなのを思い出したら涙が出てきた。

 

「……うっ」

 

そのまま床に倒れ込む。

喉が下から圧迫されるような感覚がある。

鼻の付け根が熱い。

 

 

 

明日は入学式だった。

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